イースターのキャンドル

英国紅茶商Ringtonsさんとキャンドルを作らせていただけるようになってから早1年。
英国菓子のビスケットをセットにしたGREAT BRITISH BISCUITSやスコーンのキャンドル、
クリスマスプディングをモチーフとしたスコーンやミンスパイなど、様々なイギリスゆかりのお菓子をキャンドルにしてきました。

この春新しく作った英国キャンドルはキャロットケーキです。

アメリカなどヨーロッパ各地で人気のキャロットケーキ。
最近では韓国でも人気らしいですが、元々はイギリス発祥のお菓子だそうです。
まだお砂糖が貴重だった中世時代に甘いにんじんをお砂糖の代用としたことが始まりだったとか。

この春Ringtonsさんが出店される伊勢丹新宿本店の英国展、そして
JR名古屋高島屋での英国フェアで、時期的にも何かイースターのお菓子が作れないか、と打診があったのをきっかけに、キャロットケーキを制作致しました。

擦りおろしたにんじんがたっぷり生地に入ったオレンジ色味がかった生地と、
厚みのあるコッテリとしたクリーム。
そのままキャンドルにしています。

よくあるホールケーキをカットしたタイプではなく、販売しやすいようマフィン型にしました。
手のひらサイズにちょこんとおさまる可愛らしいサイズです。

細部のディテールまでとてもリアルで、本当に本物のマフィンのよう。
並ぶととにかく美味しそう。

マフィンに限らず、おやつや食べ物系は着色がとても大切です。
少しでも間違うと途端に不味く見える..
とはいえわたし自身は色選びがどちらかというと苦手です。
食べ物に限らず何か色をつけて可愛いキャンドルを作ろう!と思った時
大抵思うように着色できません。
こういう色味がいい、とかこういう色合わせが好き、というこだわりや理想はあるものの
それを再現するのがとても難しい。
キャンドルを制作したばかりの頃からの悩み。

アートキャンドル協会のリアルコースシリーズは制作方法から着色まで、g単位で記載しているテキスト付きです。
クッキー缶やカヌレ、マドレーヌなどの焼き菓子をテキスト付きで学んでから
なんとなくこのお菓子の色味はこんな感じの着色かな..と想像できるようになってきています。
こちらのマフィンも何層にも着色して、リアルな焼きムラも再現しています。
道具と材料さえあればどなたでもご自宅で再現可能ですのでリアルなお菓子を作ってみたい方は本当にぜひおすすめです。

あ、イースターの話でした、戻ります。笑

そして一番大事なにんじん。
よくあるミニにんじんのモチーフをちょこんと乗せました。
こちらのにんじんももちろんロウでできています。
ひとつひとつ手作りしたにんじん。かなりリアルな仕上がりです。
よくよく見ると細かな皺もあります。
たくさんあると可愛い。

こんがりマフィンをたくさん焼いて、芯を通します。
トロッとクリームを垂らして、にんじんをちょこんと乗せて完成!

このにんじんさんが、とってもいい味出してます。
灯してもとっても可愛らしいです。
芯の近くににんじんがあるので、あっという間に溶けてしまうんです。
それがちょっと切ない。
英国展では灯しかけも飾っていただいてますのでぜひみてみてくださいね。

そしてキャロットケーキともうひとつ、イースター用に作ったのがメレンゲネスト。
メレンゲを鳥の巣に見立ててカラフルな卵を乗せた英国菓子です。
イースターの時期にはイースターネストと呼ぶそう。

メレンゲといえば卵白とお砂糖を泡立てて絞って焼いた甘ーいお菓子ですが
例外なくわたしもうちの娘も大好きで、以前からよく作っていました。
わざわざ絞らず適当にスプーンですくったものを焼いていただけですが、温度調整や気泡の具合なのか
すぐひび割れしちゃうんです。

イースターネストを商品化するにあたりとても自分では作れそうになかったので
知り合いのお菓子屋さんに頼んでメレンゲを作ってもらいました。

そこから型取りをしてキャンドルにしています。
本物のお菓子から型取りすることで、表面のざらつきや生地感もまさに本物そのもの。
なので手作業で絞り出したメレンゲの歪さや個々の大きさはまちまち。
それぞれのメレンゲの大きさに合わせて中に入れた卵も一つずつ大きさも異なります。
そんな卵を入れた姿がこちら。

所狭しと並んでいる姿も可愛い。

淡いパステルカラーをメインに、ポイントで濃いピンクやブラウンも使いました。
地味好きなわたしにとっては、それはそれは可愛らしい色合いになりました。
卵の大きさも色も、一つずつ違いますのでお好みのものを探してくださいね。

メレンゲも灯すと可愛いです。さっきから可愛い可愛いしか言ってませんが。(語彙力)
4つの卵の中央に芯があるので、灯してゆくとそれぞれの卵が溶けて混ざり合います。
そんな様子も可愛い。


灯す際には紙タグを取って、安定した場所で灯してくださいね。
キャロットケーキもイースターネストも、形状上燃焼が不安定になることがあります。
芯は1cm程度の長さにキープし、長くなったらカットしてください。
また、芯が短くなったり火が小さくなってしまった場合には一度火を消し、溶けた蝋を吸い出して改めて着火してください。

どちらも数量限定となります。
キャンドル関係なく催事でのRingtonsさんはとても混み合うので、、どうか怪我などされませんよう。
一人でも多くの方にキャンドルの良さが伝わればいいなと思っています。


名古屋の英国フェアではわたしも行きたいなーと思っています。
関東や関西での催事ほど、名古屋は混み合わないと聞きましたがどうなんだろう。

Ringtonsさんと出会って10年ほど飲み続けていた珈琲から紅茶にかわり、
今ではすっかり生活に欠かせないものになりました。
紅茶買い足そう。
今からとても楽しみです。ふふふ